FP市役所

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市役所職員がFP試験を受けるなら、何級から何級まで?

みなさんこんにちは FP 市役所です。
お仕事お疲れさまです、FP試験の勉強、はかどってますか?
今回は、「市役所職員がFP試験を受けるなら、何級からスタートして、何級まで合格を目指せばいいのか」についてお話していきます。

 

 

3級からはじめるか、2級から受けるか?

FP試験は1級から3級まであります。
別の記事で詳しく説明しますが、市役所職員の場合は3級からはもちろん、いきなり2級からでも受けることができる方が多いと思います。3級から受験した方がいいのか、3級を飛ばして2級から受験しちゃってOKか、ということについて解説していきます。
私の結論は「まずは3級を受験し、しっかり合格してから2級を受験する」というのが良いと思います。
はっきり言うと、3級はとても簡単なんです、特に市役所職員にとっては。四択ではないマルバツ問題もありますし、きっと一発合格できることでしょう。だからこそ、生活に勉強を取り入れるとっかかりとしてはちょうど良いし、サクサク勉強が進み、つまずくこともないと思います。調子に乗って2級から勉強して、テキスト数ページを進んだところで「6つの係数」につまずき、勉強を辞めてしまうよりはずっと良いです。
まずは3級から勉強をはじめ、FPの勉強の楽しさを感じるとともに、仕事と勉強の両立に向けた生活改善に取り組みましょう。 

 

2級をゴールとするか、1級まで受けるか?

さて、日本一勤勉な職業である市役所職員のみなさんならば、確実に3級に合格し2級の勉強もがんばって、めでたく合格することでしょう。その上には1級があります、FP 試験の最高峰は、1級です。2級合格まで頑張った人ならば、せっかく勉強してきたから1級まで取りたいと思うかもしれませんが、私としてはあまりおすすめしません。 
理由をズバリ言うと、私自身1級合格までの勉強がすごーく大変だったからです。
お恥ずかしながら、1級学科試験は4回落ちて5回目にようやく合格しました。それも受験した5回のうち3回は 合格点の120点まであと1~2点、というところでした。どういうことかというと、1級の特に学科基礎は、勉強量で知識を積み重ねていっても、点数が積みあがってはいかない問題が出るんです。

1級は「沼」なんです。

もちろん1級を目指す人を止めておけと言ったりはしませんし、心から応援します。しかし1級は、想像をはるかに超える難しさがあり、かなりの時間を投下する必要があります。私は合格まで1,000時間以上の勉強時間を費やしました。

さらに言ってしまうと、がんばって1級を取得しても、独占業務(その資格が無いとできない仕事)はありませんし、世のファイナンシャルプランナーは2級どまりの方が多数います。FP1級の資格を持っていることのメリットはあまりないと思います。
それでももし受験しようと思うのであれば、今の生活の何かを犠牲にするような、それなりの覚悟が必要だと言うことはお伝えしておきます。

もう一つだけ付け加えておくと、FP1級学科試験の合格率は、平均すると10%前後ですが、一番低かったとき2023年5月試験で、その合格率は驚愕の3.51%です……

 

市役所職員がノー勉で正解できるのは?

ではここで、各級ごとにどんな問題が出題されるのかを見ていきましょう。
特に、市役所職員が通常の業務の中で関わることのある分野について、それも特に勉強をしなくても解けるかもしれないような問題を、級ごとに出してみます。
実際に過去に出題された問題を、少し簡単な表現にしてあります。

FP3級の例題

マルバツ問題です。
土木建設系の部署の経験者なら簡単だと思いますし、家を建てた経験のある方も正解出来るかと思います。

 建築基準法の規定では、都市計画区域及び準都市計画区域内の建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に1.5m以上接しなければならない。

 

答えは、バツですね。
敷地は道路と接してなければならない、いわゆる接道義務です。その接する長さは1.5m ではなく2mです。接道しなければならない理由を考えれば分かります。敷地が2m以上道路に接していないと、横幅2mある自動車、つまり緊急車両が敷地内に入れませんから。

 

FP2級の例題

次は2級です。
2級は4択問題ですが、ここではマルバツ問題化しています。
先ほどは建築に関する問題でしたから、今度は社会保障の分野から出してみましょう。

国民年金の被保険者のうち3号被保険者の届出は、その者の配偶者が市町村(特別区 を含む)に直接提出しなければならない。

 

答えはバツです。
市役所では、国民年金の3号被保険者の手続きは受け付けていませんね。
届出の手続きは、3号被保険者の扶養者である2号被保険者が勤務する会社を通して、日本年金機構に提出されることになります。つまり、扶養されている方の手続きは不要です。
専業主婦の配偶者がいる市役所職員の方であれば、配偶者の方に市役所に年金の手続きに行ってもらった、なんてことはないと分かります。自分の済む自治体と職場がイコールの方ならばさらにイメージしやすく正解が導き出せる問題でした。

 

FP1級の例題

さて、最難関1級の問題です。
こちらもマルバツ問題化しましたが、狂気的難しさを消し去ることはできませんでした。

後期高齢者医療制度の被保険者は、後期高齢者医療広域連合の区域内の住所を有する 75歳以上の者、または後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する60歳以上75歳未満の者であって一定の障害の状態にある旨の認定を受けた者であるが、生活保護受給者は被保険者とされない。

 

パッと見、漢字の量がやばいですね・・・
答えはバツです。どこが違っていたかわかりますか?
後期高齢者と言えば75歳以上ですが、障害認定を受けた方は75歳を待たずに認定後期高齢者になります。その下限年齢は、60歳ではなく65歳からです。
40歳から65歳までが介護保険の2号保険者で、そこから65歳から認定後期高齢者につながり、最後は75歳でみんな後期高齢者になる、というように関連付けて覚えている市役所職員の方がいらっしゃったら、福祉の総合相談担当などもすぐに出来るのでは無いでしょうか。

 

とにかく市役所職員はみんな FP 試験の勉強しましょう

どうでしたか? 楽しかったですね。
3問ともどこが間違っていたかが分かり、正しく修正することもできたという方は、市役所職員として幅広い知識を持っていて素晴らしいと思います。
1問も分からなかったという方、大丈夫です。そのような方に、このブログを読んで欲しかったんです。
日々の生活から少し勉強時間を捻出し、FP 3級の勉強を始めてみましょう。知り合いの職員が関わっている業務や、いつか自分が異動して担当する業務の知識を得ることができるはずです。幅広い知識を持って業務に当たることは、提供できる市民サービスを一歩良いものにできます。FP試験は、ゼネラリストである市役所職員にぴったりの資格なんです。
さあ、どの問題ができたか、できなかったかに関係なく、みんな一緒にとにかくFP 試験の勉強をしましょう。